「植物ステロール」はコレステロールを体の外に出す優秀選手。正しい摂り方、多く含む食品3つ

大豆製品コレステロールが高いと指摘させると、コレステロールを下げるといわれる食品には敏感になりますね。

毎日使うなどに、悪玉コレステロールを下げる効果が期待できると謳った商品が市販されています。

油がどうしてコレステロールを下げる働きをするのでしょうか?

そこに書かれている「植物ステロール」という成分がコレステロールを下げる効果があり、また特定保健用食品の成分として認定されています。

この植物ステロールは自然界にもたくさん存在していて、自然の食品からも摂ることができます。

植物ステロールが多くおススメの食品を3つと、その正しい摂り方を栄養士が説明します。

植物ステロールってどんな成分?

植物油のマーガリン植物ステロールとは、動物でいうコレステロールにあたるものです。

植物の細胞の膜を形成する成分で、人体におけるコレステロールととてもよく似た構造をしています。

「βーシトステロール」や「カンぺステロール」などの種類があり、乳化剤として食品添加物に指定されて使われていることが多いです

ですので、安全性に問題はありません。

植物ステロールは人間の体には必須ではない成分です。その上、人間は吸収することができません。

ですが、その健康効果は昔から研究され、などに使われてきました。

植物ステロールの健康効果を期待して、マーガリンマヨネーズや植物油に添加した商品も販売されています。

なぜ、植物ステロールが注目を集め、数々の食品に加えられているのか、コレステロールとの関係に着目しながら見ていきましょう。

植物ステロールと悪玉コレステロールの関係

悪玉コレステロール値を下げる効果があると認定された特定保健用食品の中には、その有効成分として植物ステロールを採用したものもあります。

食事から摂ったコレステロールは、胆汁酸とくっついて初めて小腸から吸収される状態となります。植物ステロールはコレステロールより先に胆汁酸とくっつく性質があるのです。

人体でつくられる胆汁酸には限りがあるので、胆汁酸とくっ付けなかったコレステロールは吸収されずに体外に出てしまいます。

この効果によって、コレステロールが体内に吸収されるのが妨害されて、しいては悪玉コレステロールも下がるというわけです。

胆汁酸とくっついた植物ステロールは、そのほとんどが小腸に吸収されることなく体の外に出てしまいます。これが、植物ステロールがコレステロールを下げてくれるメカニズムです。

植物ステロールを多く含む食品

植物ステロールを多く含む食品は、油、豆類、根菜類です。その中でも優れた食材をおすすめ順に3つご紹介します。

豆腐

豆腐木綿豆腐1丁(300g)に含まれる植物ステロールの量は174mgです。豆腐はとても安く、さまざまな料理に使えるので、とても食べやすい食品です。

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植物ステロールの悪玉コレステロール低下効果を得るためには、毎日植物ステロールを取りたいので、安くて食べやすいことはとても大事なことです。

トウモロコシ

トウモロコシ1本(可食部分175g)には、植物ステロール210mg含まれています。トウモロコシは夏の食べ物ですが、最近は冷凍コーンが出回っていますので、一年中食べられます。

トウモロコシもとても使いやすい食材で、茹でてサラダに入れたり、チャーハンに加えたりできます。

バター炒めにしたり、コーンスープにしたりと、量をたくさん摂ることもできるのが良いですね。

缶詰や冷凍でも植物コレステロールは損なわれませんので、保存がきき、使い道が多いのも魅力です。

ごぼう

ごぼう50g(きんぴら1食分)には、植物ステロールが62g含まれてます。ごぼう料理の代表はきんぴらごぼうですね。

さらにごぼうは煮物や天ぷらなど、意外と使い勝手の良い野菜です。下処理が面倒な場合には、冷凍もあるので上手に利用してください。

植物ステロールだけではなく、ごぼうは食物繊維も豊富です。

食物繊維は食事に含まれるコレステロールを吸着して体外に出す作用があるので、コレステロール対策としては一石二鳥の野菜です。

植物ステロールの正しい摂り方

食事性コレステロール植物ステロールは、食事性コレステロールより先に胆汁酸とくっつく性質から、食事性コレステロールの吸収を邪魔するので、食事性コレステロール含有量の多い食品と一緒に摂ると効果的です。

食事性コレステロールが多い食品は、以下のようなものがあります。

  • (1個50g) コレステロール210mg
  • うなぎ(1食80g)コレステロール184mg
  • たらこ(半腹45g) コレステロール158mg
  • あなご(1食80g) コレステロール112mg

植物ステロールは、どの位摂れば悪玉コレステロールを低下させる効果が期待できるかというと、1日200~300mg程です。

豆腐であれば1丁強、トウモロコシであれば1本強、きんぴらごぼうで小鉢4つ分になります。

これ以上多く摂っても、悪玉コレステロールを下げる効果は増えないことが研究で判っていますので、上記の量を目標としてください。

植物ステロールは熱にも強いので加熱調理でも失われませんので、各自の食卓に合った形で取り入れ方をアレンジしてみてください。

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植物ステロールを摂る時の注意点

妊婦や子供は注意植物ステロールは、血中悪玉コレステロールが高い人には積極的に摂りたい成分ですが、植物ステロールを強化した食品を妊婦や子供が摂ることについては、安全と確認できるほどの研究結果がありませんので避けた方がいいですね。

また、コレステロールは体の細胞の膜を作るために必要な成分です。

悪玉コレステロール値が高い人には植物ステロールの効果はありがたいですが、悪玉コレステロールの値が正常値の人や子供には、必要なコレステロールが植物ステロールによって必要以上に排出されてしまうことになります。

悪玉コレステロールが正常値の人は、植物ステロールが添加されたトクホ食品やサプリメントを摂ることは勧められません。

植物ステロールの添加されたトクホ食品やサプリメントは、食べたことによる副作用はほとんどありませんが、まれに吐き気や下痢や便秘などの症状が現れることがあります。

さらに、シトステロール血症の患者は植物ステロールを強化した食品は食べてはいけません。

豆腐、トウモロコシ、ごぼうといった日常的な食品は、普段食べる量程度ならば問題はありませんので、心配いりません。

これらの食品が好きで大量に食べる習慣がある人や、トクホやサプリに興味があるけれど心配だという人は、医師に相談してみてください。

結論

植物ステロールは、食べたコレステロールが結びつくはずの胆汁酸を奪って、先に結びついてしまいます。

胆汁酸に結び付けなかったコレステロールは、そのまま体外に出されてしまい、結果として悪玉コレステロール値を下げることになります。

植物ステロールの多い食品は、豆腐、トウモロコシ、ごぼうなどです。コレステロールの多い食品(卵やうなぎなど)を食べる時に一緒に摂ると効果的です。

植物ステロールを添加した特定保健用食品は悪玉コレステロールが高い人に向いていますが、正常値の人には、植物ステロールを添加した食品は勧められません。

健康にいいと言われる食材であっても、摂れば摂るほど元気になれるわけではありませんので、現在の自分の状態に合わせた内容・量を摂れるよう、ときどき見直してみてくださいね。

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。