果物(リンゴ、バナナ)には悪玉コレステロールを下げる効果があるが摂取量には要注意

1697_3果物の中でもリンゴやバナナは一年中手に入れやすく、私たちの食生活にとても馴染み深い食品です。

今回は、食べる機会が他の果物よりも多いこの2つの果物に注目し、栄養成分やコレステロールとの関係、とり入れ方のポイントについて解説していきます。

リンゴ・バナナってどんな食べ物?

リンゴについて

リンゴは糖分が10~13%と他の果物に比べて多く、甘みが特徴的な果物です。品種は非常に多く、一般的に流通しているものだけでも約20種類もあります。長期保存が可能で、常温でも7~10日ほど品質を保つことができます。リンゴに含まれるポリフェノールが酸化され変色の原因となりますが、切ったらすぐに塩水に浸けることで防止できます。

りんご150g(1/2個分)のカロリーは81kcal。ビタミンやミネラル類はあまり多くはありませんが、便通を整える食物繊維のペクチンや、疲労回復効果のあるリンゴ酸が含まれているのが特徴です。

バナナについて

1697_1バナナは熱帯産の代表的な果実です。生で食べるだけではなく、ドライフルーツやお菓子の加工、揚げたり煮たりと、料理としても幅広く利用されています。

冷蔵庫に入れて保管すると黒くなってしまうため、室温で保存するのがオススメです。

バナナは炭水化物を多く含んでおり、1本(約100g)あたり80kcalと、他の果物よりもカロリーが高く、エネルギー補給には最適です。また、ビタミンやミネラルの含有量も多く、全体的に栄養価が高くなっています。

特に多く含まれているのが、むくみや高血圧の改善に効果的なカリウム、皮膚炎の予防やタンパク質の代謝サイクルに必要なビタミンB6、美容やさまざまな病気の予防に役立つビタミンCです。

コレステロールを下げるメカニズム

リンゴに含まれるコレステロールを下げる成分

リンゴに含まれるリンゴポリフェノールには、さまざまな健康効果が確認されています。生活習慣病やがんの原因となる活性酸素を除去する作用、血流改善、口臭予防、美白効果などが挙げられますが、コレステロールを下げるという点においても効果が認められており、大変有用な成分です。

食事から脂肪が摂取されると、エネルギーとして消費できなかった余分な脂肪は体内に蓄積されてしまい、これが脂質異常症の原因になったりと、健康に悪影響を及ぼします。

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リンゴポリフェノールには、体内で脂肪の合成に関わる酵素の活性を抑制し、脂肪の燃焼に関わる酵素(リパーゼ)を活性化する働きがあります。このことから食事で摂取した脂肪分が小腸から吸収されることを防ぎ、排泄する働きがあるということができます。 

その他にもリンゴには、コレステロールを下げる効果のある栄養素として、食物繊維のペクチンやエピカテキンが含まれています。ペクチンには腸内環境を整えて善玉菌を増やす働きもあるので、便秘や下痢の改善にも効果的であり、エピカテキンは抗酸化作用を持つためさまざまな病気の予防が期待できます。

昔から「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」と言われてきたように、リンゴはコレステロールを下げるという点だけではなく、色々な効果をもたらしてくれる、優れた健康果実であるということができます。

バナナに含まれるコレステロールを下げる成分

1697_4バナナには食物繊維が多く含まれており、この食物繊維の働きによってコレステロールが下がる、といった書き方がされているサイトも多く見かけます。

バナナ1本に含まれる食物繊維の総量は1.1gであり、このうち不溶性食物繊維が1.1g、水溶性食物繊維が0.1gとなっています。

バナナには便のかさを増したり、腸に刺激を与えて便秘の改善に役立つ不溶性食物繊維が多く含まれています。しかし、実際にコレステロールを下げる効果があるのは水溶性食物繊維の方で、実はバナナにはあまり多く含まれていないのです

食物繊維には2種類あり、それぞれが違う役割をしているということを理解し、上手に使い分けましょう。

他の成分に着目しても、バナナにはコレステロールを下げる効果のある成分はあるとは言えず、むしろ食べ過ぎは肥満に繋がることからも、適量を守って食事にとり入れることが必要といえます。

コレステロールが高い人に適した果物のとり方

リンゴのオススメのとり入れ方と量について

リンゴはコレステロールを下げる効果はもちろん、抗酸化作用や美容効果など、さまざまな効果をもたらしてくれる栄養価の優れた果物です。また、糖質の含有量も高くはないので、1日に1個程度の量では毎日食べても肥満に繋がることはあまり考えられません。

国で推奨されている1日の果物の摂取量は200gとされていますので、リンゴであれば3/4個でこの量をクリアできます。リンゴ200gのカロリーは108kcalと低いので、ダイエット中や糖尿病の人でも200gを目安にとり入れても特に問題はありません。

注意したいのは、リンゴを使用したジャムやジュースなどをとり入れる場合です。ジャムはもちろん砂糖を添加していますが、ジュースも商品によっては人工的に甘味を加えているものがあります。表示をよく見て、できるだけ果汁100%のジュースを選ぶように心がけましょう。

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バナナのオススメのとり入れ方と量について

バナナは糖質が多い果物ですので、朝食や運動時、間食としてなど、手早く栄養をとりたい時には重宝しますが、食べ過ぎは肥満につながるので要注意です。バナナ1本で約100g、80kcalですが、果物の1日の摂取目安量の200gをバナナだけで摂ると160kcalとなり、リンゴの108kcalと比較しても高めですね。

間食のカロリーとしては許容範囲ではありますが、1日多くても2本までとしておくのが良いでしょう。できれば、他の低カロリーの果物と組み合わせて、色々な栄養素を幅広く摂取した方が健康にも良い食べ方といえます。

一時期流行ったバナナダイエットは、バナナの持つ便秘改善効果と高い栄養価に注目されたものですが、1食をバナナに置き換えた生活を毎日続けると、もちろん栄養バランスの偏りが出てきます。食事量が減ることから、一時的には効果は見られるかもしれませんが、長期で行うと健康を害したり、リバウンドしやすい体になってしまうリスクがあるので、あまりオススメはできません。

結論

リンゴにはコレステロールを下げる成分としてリンゴポリフェノール、ペクチン、エピカテキンなど、色々なものが含まれていました。このように、リンゴは健康に良い作用をもたらす成分が含まれ、低カロリーなので肥満に繋がりにくいというメリットがあります。1日200g(3/4個)を目安として、毎日の食卓にとり入れてみましょう。

また、バナナにはコレステロールを下げる成分は確認できませんでしたが、ビタミンやミネラル、炭水化物が含まれており、栄養価の高い果物ということは変わりません。しかし、カロリーが高く、食べ過ぎは肥満の原因ともなるので、1日2本を上限として、他の果物と上手に組み合わせながらとり入れましょう。

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。