エビが悪玉コレステロールを上げない理由が判明

1578_4エビは正月のおせち料理やお祝いの席から、普段の食卓にまで幅広く用いられる食材です。

高級なイメージもありますが、むきエビなどは家庭用に加工されており、使い勝手が良く、彩りも良いことから使用頻度が高い食材のひとつです。

以前はエビを食べるとコレステロールを上がると言われており、健康のためにも食べるときは量に配慮する必要がありました。しかし、現在ではエビに含まれるコレステロールは、血中のコレステロールを上げないと報告されています。

それでは、なぜエビを食べてもコレステロールを上げないのか、その理由について解説するとともに、エビを食べる時に気をつけなくてはならないポイントについても説明していきます。

エビってどんな食べ物?

食品成分

エビにはさまざまな種類があり、それによって大きさも異なります。食品成分については、家庭で使用される頻度が一番高い「車エビ」に絞って解説していきます。

【車エビ100gあたり】
1.エネルギー量・水分・主要栄養素

エネルギー 97 kcal
水分 79.1 g
たんぱく質 21.6 g
脂質 0.6 g
炭水化物 0 g

2.ミネラル類

ナトリウム 170 mg
カリウム 430 mg
カルシウム 41 mg
マグネシウム 46 mg
リン 310 mg
0.5 mg
亜鉛 1.4 mg
0.42 mg

3.ビタミン類

βカロテン当量 49 μg
ビタミンA 4 μgRAE
ビタミンD 0 μg
ビタミンE 1.8 mg
ビタミンK 0 μg
ビタミンB1 0.11 mg
ビタミンB2 0.06 mg
ナイアシン 3.8 mg
ビタミンB6 0.12 mg
ビタミンB12 1.9 μg
葉酸 23 μg
パントテン酸 1.11 mg
ビタミンC 0 mg

エビは筋肉や血液を作る材料となるたんぱく質を多く含んでいます。脂質の含有量はとても低く、糖質は全く含まれていないことから、特に糖質制限ダイエットをしている人には是非活用していただきたい食材です。

エビは悪玉コレステロールを上げません

エビに含まれるコレステロールの量について

エビ100gに含まれるコレステロールの量は170mgです。これは他の食品に比べると多い数字となっています。しかし、エビにはコレステロールが含まれていますが、なぜ血中のコレステロールには影響しないのでしょうか。その理由を見ていきましょう。

1578_2

コレステロールは体内でも作られる

食品からのコレステロールは食べた分がそのまま全て吸収されるわけではなく、30~40%程度しか吸収されません。実は、コレステロールは私たちの体内でも肝臓で合成されて作られおり、その量は食品からのコレステロールの量と比較するととても多い量となっています。

そのため、食品から摂取したコレステロールの量はほとんど血中のコレステロールに影響することはありません。

さらに、食品からコレステロールを摂りすぎた場合には、体内の量を一定に保つ作用が自動的に働き、体内で合成されるコレステロールの量が調整されるため、血中のコレステロールが上昇することはほとんど考えられないのです。

血中のコレステロールが上がる場合は、この調整機能の作用不足や肝機能の低下などが考えられ、食品からコレステロールを摂りすぎたから、という考えはもう過去のものとなってしまいました。

キチン・キトサンの効果

エビの殻にはキチン・キトサンという食物繊維に分類される栄養成分が含まれています。このキチン・キトサンの効果には次のようなものがあります。

  • コレステロールを下げる
  • 脂肪の吸収を抑える
  • 高血圧を予防する
  • 免疫力を高める
  • 有害物質を排出する

1578_3肝臓ではコレステロールを原料として胆汁酸が作られています。キチン・キトサンは胆汁酸を吸着して排出するという働きがあり、この作用が促進されるため、コレステロールの必要量が増加した結果、血中のコレステロールの量が低下するという仕組みです。

エビの殻まで食べるという人は少ないかもしれませんが、エビフライで尻尾まで衣に包んでみたり、ミキサーにかけて細かくしてスープに加えるなど、工夫次第ではとり入れやすくなります。

エビのもつ健康効果

キチン・キトサン以外にもエビには健康効果のある栄養素が含まれています。


赤血球の形成をサポートし貧血予防にも関係しています。また、体内の多くの酵素の正常な働きと骨の形成を助ける働きをしており、免疫力の向上、動脈硬化、成長促進などの効果があります。

ナイアシン
糖質・脂質・タンパク質からエネルギーを作り出す時に必要な酵素の働きをサポートするビタミンの一種です。また、皮膚や粘膜を正常に保つ働きもあります。その他にも二日酔いを防ぐ、血行促進などにも効果があります。

ビタミンB12
葉酸とともに、赤血球中のヘモグロビンの生成に関わっており、悪性貧血に有効なビタミンの一種です。また睡眠を促す効果や神経機能を正常に保つ働きもあります。

このように、エビには健康効果の高いさまざまな栄養素が含まれていますが、食べる時に注意をしなければいけないポイントもあります。

エビアレルギーに関しての注意点

エビやカニなどの甲殻類にはトロポミオシンというたんぱく質が含まれています。この物質が原因となって、アレルギーを起こしてしまうことがあるので注意が必要です。

1578_1

アレルギーは色々な食品が原因となりますが、甲殻類アレルギーは他のアレルギーに比べて症状が強く出る傾向にあります。また、食品を食べるだけではなく、触ったり粉状のものを吸い込むだけでも反応が出てしまうこともあります。

アレルギーの症状としては、かゆみや蕁麻疹、口が腫れる、目が赤くなるなどの皮膚性のもの、呼吸が苦しくなる、腹痛、下痢などさまざまです。激しくなると血圧が急激に下がり意識が消失してしまうなど、命の危険も伴う場合がありますので注意しましょう。

結論

私たちの生活に馴染みの深い食品であるエビは、コレステロールを上げないということがわかっています。この理由の一つは、体内でのコレステロールの自動調整機能によるもの、二つ目はキチン・キトサンという食物繊維の働きによるものと考えられます。

エビにはたんぱく質が多く含まれること、脂質や糖質の含有量がとても低いことからダイエットには最適な食材であるということができ、その他にも銅やナイアシン、ビタミンB12などの健康効果をもたらしてくれる栄養素が含まれていることがわかりました。

しかし、大人でも甲殻類アレルギーを引き起こす場合もあり、他のアレルギーよりも重い症状が出やすいので、食べる時には注意が必要です。ちょっとだけ食べて違和感を感じることがあればすぐに食べるのをやめましょう。

関連ページ


 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。