ココナッツオイルはコレステロールを下げる?上げる?

1480_1健康効果が高い食品として注目度が急上昇のココナッツオイル。テレビや雑誌などで紹介されることも多く、目にする機会も増えましたね。

ココナッツオイルは料理やお菓子まで幅広く使うことができ、普段使用している油の代わりに用いることができます。

私たちの体にとって良い効果をもたらしてくれるということは確かなようですが、実際にどんな効果があるのかなど、具体的なメカニズムまで理解している人は多くはないかもしれません。

ココナッツオイルはオイルという名前の通り、油の仲間として分類することができます。油は健康にはあまり良くないというイメージが強いですが、ここまでブームになっているのは私たちの体に良い効果をもたらしてくれるからに違いありません。

それでは、ココナッツオイルをとり入れることで、私たちの体にどのような効果があるのか。また、コレステロールにはどのような影響があるのか。ココナッツオイルの具体的な効能や、効果的なとり方について見ていきましょう。

ココナッツオイルってどんな食品?

別名「やし油」と呼ばれ、ココヤシの果実の胚乳から採取されます。マーガリンやショートニング、製菓用の油脂のほか、石鹸や高級アルコールの原料としても利用されます。オリーブオイルやサラダ油が常温で液体であるのに対し、ココナッツオイルは常温で固体であるのが特徴的です。

用途としては炒め物や揚げものなど、普通の油と変わらずに使うことができるのはもちろん、バター代わりにケーキやクッキーなどに、さらにはコーヒーなどの飲みものに加えることでコクと風味を豊かにしてくれるなど多岐に渡っています。

ココナッツオイル(100g)の栄養価は以下のようになっています。

エネルギー量 921 kcal
たんぱく質 0 g
脂質 100 g
炭水化物 0 g
ビタミンE 0.3 mg

脂肪酸の組成

【 脂肪酸総量 】 92.1 g
飽和脂肪酸 84.0 g
一価不飽和脂肪酸 6.59 g
多価不飽和脂肪酸 1.53 g

ココナッツオイルは油脂類のため、主要栄養素の構成比率は脂質が100%となっています。ビタミンやミネラル類はほとんど含まれておらず、唯一含まれているビタミンEも100g当たりの含有量が0.3mgと決して多いとは言えません。

ココナッツオイルに含まれている脂肪酸の種類

体内のコレステロール量と食品の関係性を見ていくためにも、脂肪酸の構成を知っておきましょう。脂肪酸には主に飽和脂肪酸・多価不飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸の3種類があります。

1480_4ココナッツオイルに多く含まれる脂肪酸は飽和脂肪酸という種類で、不足すると脳出血を起こすリスクが高まりますが、過剰摂取をすると生活習慣病となるリスクが高まります。健康を維持するためには適量の摂取を守ることが大切です。

植物油や魚に多く含まれる多価不飽和脂肪酸は、血中の中性脂肪やコレステロールの増加を抑制する働きがあり、オリーブオイルに多く含まれている一価不飽和脂肪酸には悪玉コレステロールを減らして循環器疾患のリスクを減らす効果があります。
 
2種類の不飽和脂肪酸に比べて、飽和脂肪酸は動物性食品に多く含まれ、健康に良くないというイメージが強いのですが、その飽和脂肪酸が多く含まれているココナッツオイルが体に良いと言われる理由は、脂肪酸の「分子の長さ」にあります。

ココナッツオイルはコレステロールを上げる?下げる?

中鎖脂肪酸の特徴

脂肪酸を「分子の長さ」によって分類したときに、サラダ油やオリーブオイルなどの脂肪酸を長鎖脂肪酸、ココナッツオイルや母乳、牛乳に含まれている脂肪酸を中鎖脂肪酸と呼びます。脂肪酸は、この分子の長さによっても性質が異なっています。

この中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸に比べて長さが短いため、水になじみやすいという特徴があり、約5倍早く分解されてエネルギーとなることができるのです。つまり、体に溜まって脂肪として蓄えられるリスクが低く、ダイエットにも効果的であるといえます。

また、中鎖脂肪酸を多く含むココナッツオイルは、この消費の早さからすぐに燃焼されるため中性脂肪になりにくいという性質があります。

1480_3

もちろん食べすぎたら太る原因となりますが、適量ならばほかの油と比べて太りにくいことが特徴です。LDLコレステロールは中性脂肪値と比例する傾向にあるため、肥満をかいしょうすればLDLも自然と減少していきます。

ココナッツオイル自体にもコレステロールは含まれていないので、適量をとり入れることで中鎖脂肪酸の作用により、血中のコレステロールを下げることが期待できます。しかし、いくら体に良いといっても、油であることには変わりはありません。摂りすぎは肥満に繋がってしまうことも考えられるので、適量を心がけることが大切です。

コレステロールが高い人に適したココナッツオイルのとり方

ココナッツオイルの効果を高めるためには、以下のようなポイントがあります。

適量について

1日大さじ2杯を目安に
ココナッツオイルの適量については諸説ありますが、体の中にとり入れる量の目安としては大さじ2杯程度が理想的です。油に分類されるため大さじ1杯で111kcalと高カロリーで、摂りすぎは肥満のリスクを高めます。

1480_5

スキンケア・ヘアケアとしてもOK
ココナッツオイルは体にとり入れるだけではなく、美容にも活用できます。1日大さじ2杯だけじゃ物足りない!と感じる方は髪や肌のケアのために使用してみるのも良いでしょう。

とり入れ方

昼と夕の1日2回に分けて摂取しましょう
食事は基本的には1食ずつカロリーを調整していくのがベストです。ココナッツオイルを1度にまとめて摂るクセがついてしまうと、ホルモンの関係で太りやすい体質になってしまいます。1食につき大さじ1杯を昼と夕に分けて摂取するのが理想です。

料理からお菓子、飲みものまで何でもOK
ココナッツオイルはどんな料理にでも使える万能な油です。ただ常温では固体のため、サラダのドレッシングなど冷菜への使用は向いていません。独特の風味が気になる人は炒め物などに、風味を楽しみたい人はコーヒーや紅茶などの飲み物に混ぜてとり入れるのがオススメです。

結論

ココナッツオイルは油としての用途はもちろん、お菓子作りやケア用品としても用いられるバリエーション豊かな食材です。

1480_2

ココナッツオイルに含まれる脂肪酸は、摂りすぎると生活習慣病のリスクを高めてしまう飽和脂肪酸が多く含まれています。しかし、その結合している分子の長さに注目すると普通の油の約半分の長さしかない中鎖脂肪酸であり、そこに健康に良いとされる理由があることがわかりました。

また、ココナッツオイル自体にはコレステロールは含まれておらず、コレステロールが高い人でも安心して摂取することができます。

ただココナッツオイルの摂りすぎは肥満を招いたり、栄養素の偏りから健康を害してしまうリスクもあります。確かな効果を感じるためには、1日大さじ2杯程度の適量を意識してとり入れましょう。

関連ページ


 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。