エゴマ油と亜麻仁油のαリノレン酸がコレステロールを下げる理由と正しい摂り方

1096_30エゴマ油や亜麻仁油は、健康に良い油として近年注目されています。

エゴマ油と亜麻仁油には、他の油にはあまりないα-リノレン酸が多いという特徴があります。

α-リノレン酸は体で作ることができない必須脂肪酸の1つです。

このα-リノレン酸については研究が進んでおり、さまざまな健康効果があることが判ってきました。

その1つに血中のコレステロールを低下させるというものがあります。

エゴマ油と亜麻仁油が血中のコレステロールを下げる仕組みとその摂り方を栄養士が説明します。

エゴマ油と亜麻仁油ってどんな食べ物?

荏胡麻エゴマは昔から日本で食べられている植物です。

ゴマと似ており、ゴマ和えのゴマと同じように、和え衣にして食べられたりしています。

亜麻仁は、ヨーロッパで主に食べられている植物です。どちらも昔から健康に良いと知られています。

エゴマから摂れるものをエゴマ油、亜麻仁から摂れるものを亜麻仁油と言います。

どちらも普段料理に使うサラダ油と同じ油ですので、100gで約900kcalです。

では、その健康効果はどこに違いがあるのでしょうか?それは、油の中の「脂肪酸」に違いがあるのです。

エゴマ油と亜麻仁油、一般的な植物油と体に良いとされるオリーブオイル、それぞれ2つの脂肪酸を比較してみましょう。

<いろいろな油の中身比較表 (単位:mg/油100g中)>
α-リノレン酸 リノール酸
エゴマ油 58000 12000
亜麻仁油 57000 14000
サラダ油 6800 34000
オリーブ油 600 6600

エゴマ油と亜麻仁油の両方に目立って多いのは、α-リノレン酸の方です。

このα-リノレン酸は、体のさまざまなところで役に立つ脂肪酸です。

リノール酸は過剰に摂取すると、花粉症やアトピーなどのアレルギー反応を強くさせてしまいます。

α-リノレン酸はそれを抑える効果があります。

さらにα-リノレン酸には、血圧を下げたり、血栓(血の塊)を防ぐ効果もあり、健康にとても役立つ油ですね。

さらにさまざまなガンに役立つのではないかという可能性も浮上し、近年さらに研究が進められています。

エゴマ油、亜麻仁油がコレステロールを下げるメカニズム

1096_29エゴマ油や亜麻仁油に含まれるα-リノレン酸は、体内で10~15%ほどがEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に変わります。

もともと青魚などに多いEPADHAは、血中の悪玉コレステロールを下げる成分として有名ですが、実は直接コレステロールを下げる効果はありません。
【EPA】コレステロールを下げるメカニズムと摂取方法
【DHA】コレステロールを下げるメカニズムと摂取方法

しかし、EPA、DHAには、同じ血中の脂肪である中性脂肪(TG:トリグリセリド)を下げる効果があります。

中性脂肪が下がると、肝臓で作られるコレステロールを血液中に運び込み、細胞へ届ける船になるリポタンパク(VLDL)の合成が減ります。

その結果として、血中悪玉コレステロールが減る効果が期待できるのです。

理論的には、コレステロール低下作用が期待できるエゴマ油や亜麻仁油ですが、研究はまだ途中の段階で、悪玉コレステロール低下の効果が見られなかったという結果になったものも報告されています。

まだまだこれからの研究に期待したい栄養成分です。

コレステロールが高い人に適したエゴマ油、亜麻仁油の摂り方

摂取量
1096_28エゴマ油、亜麻仁油に多く含まれる脂肪酸である「α-リノレン酸」は、EPA、DHAと同じオメガ3系脂肪酸に分類されます。

オメガ3系脂肪酸は、30~49歳の男性で2.1g、女性で1.6gの摂取が目安量とされています。

エゴマ油や亜麻仁油なら、1日に小さじ1杯ほどで充足する量です。

調理法
エゴマ油や亜麻仁油のようにα-リノレン酸を含む油は、とても酸化しやすい油です。

酸化とは、油が空気の酸素や熱や光などで劣化してしまうことを指します。

酸化した油の大半は、体で無毒化してくれますが、摂り過ぎると一部は有害なまま吸収されて、血管を傷つけてしまいます。

さらに、酸化した油は消化が悪く、下痢などの消化器症状を引き起こします。

エゴマ油や亜麻仁油を効果的に摂るためには、揚げたり炒めたりといった、加熱による油の酸化を招く調理はせず、ドレッシングにするなどそのまま摂るのが正しい方法です。

保管方法
さらに、保存方法にも注意してください。光のあたる所や、温度が高くなる場所での保管は避けます。

さらに、時間の経過がさらに酸化を進めてしまうので、できる限り早く消費するようにしましょう。

そして、購入の際には必ず遮光びんに入っているものを選ぶようにしてください。

適量の範囲
今使っている油に加えて、さらにエゴマ油や亜麻仁油を摂ってしまうと、エゴマ油も亜麻仁油も油には違いないので、食生活全体として油を摂り過ぎてしまうことになりかねません。

肥満がある場合には、さらに肥満が進んでしまう可能性があります。

最近はエゴマ油や亜麻仁油を油分として製造されたドレッシングやマヨネーズも増えていますので、今まで使っていた普通のものからそれらに代え、油のトータルの摂取量は増やさないのが正しい活用方法です。

結論

1096_32エゴマ油や亜麻仁油は、α-リノレン酸を多く含んでいるのが特徴です。

α-リノレン酸は体内で一部がEPAやDHAに変わります。

EPAやDHAは血中の中性脂肪を減らす効果があり、中性脂肪が減ると血中の悪玉コレステロールが下がるため、エゴマ油や亜麻仁油を摂ることで間接的にコレステロールを下げる効果が期待できます。

しかし、信頼性としてはまだまだ研究途中のジャンルと言えるでしょう。

エゴマ油や亜麻仁油は酸化されやすく、ドレッシングや料理の仕上げにかけるなどの使い方が効果的です。

保存も冷暗所に保存し、早めに使い切るようしてください。

2つともコレステロールを下げる効果が期待できる油ですが、油には違いありません。

摂りすぎは肥満に繋がりますので1日小さじ1杯程度を守るようにして、正しく活用しましょう。

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。