50代男性・女性の体の変化と悪玉コレステロール対策

50代のコレステロール対策50代はコレステロール値が上がってくる人が多い年代です。世間話のように「検診で悪玉コレステロール値が引っかかっちゃったよ!」なんて笑い話にできる内はいいのですが、それが毎年なってくると、「…まずいなぁ」と危機感を感じはじめますね。

50歳は「大台に乗る」と言われる節目の年です。体の変化も50代になると大きく現れます。50代男性・女性の体の変化と悪玉(LDL)コレステロール対策を、栄養士としての知識、経験をもとにアドバイスをします。

50代男女によくある体の変化

【50代男女共通】脂肪が付いて全体が丸くなる

お腹周り50代になると、男女共にお腹だけが出ているとか、顔だけが太っているというような部分的な太り方ではなく、お腹周りや手足顔まで全体的に丸くなる太り方に変わります。

50代になるといよいよ体は省エネルギーモードになります。大きくなった子供を追いかけることもなくなり、会社では現場職から管理職に昇進してデスクワークが増えるなどで、活動エネルギー量もどんどん減ってくるのが特徴です。今までと同じように食べていては、体脂肪は増えていきます。

肥満と言われる人でも、コレステロール値は正常の人もいます。反対に、痩せていてもコレステロール値が高い人もいます。しかし、肥満の人で血中コレステロール値が高い人が多いのは確かです。それはコレステロール含有量の多い食材と、血中コレステロール値を上げる食材は、肥満になりやすい食材だからです。

消費エネルギーの落ちてくる50代は、コレステロール含有量の多い(=肥満になりやすい)食材を避け、体にとってちょうどいいカロリーを摂るよう心掛ける必要があります。避けたい食材は後半で詳しく解説します。

【50代女性】閉経すると悪玉コレステロールが上がる

女性の更年期女性の場合、多くの人は閉経を迎えます。閉経すると、女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌が減少し、血中の悪玉コレステロール値が上がり始めます。今まで、エストロゲンはコレステロール値をフタのように抑えてくれていたのに、それが減ってしまったからです。

閉経後に血中コレステロール値が上がった場合は、この影響が大きいです。更年期・閉経は女性にとって誰にでもある自然な体の変化ですが、だからといって何も対策しないでいては、多くの余分なコレステロールが血管を傷つけて動脈硬化を進め、心疾患や脳血管疾患を引き起こす原因となります。食習慣を見直して血中コレステロール値をコントロールすることが必要です。

→関連記事:女性ホルモン・エストロゲンが減少する更年期・閉経後の女性がコレステロール要注意の理由と対策

【50代男性】更年期とコレステロールは間接的に関係あり

男性更年期男性にも更年期があります。しかし、女性と違って明確な区切りが見えないのでなかなか気が付かなかったり、体の不調は仕事や年齢のせいだと考えられてしまがちで、「自分は男性更年期なのだ」とはっきり自覚している方はまだまだ少ないでしょう。

男性の更年期では、男性ホルモン「テストステロン」が減少します。テストステロンは筋肉を作るよう指示するホルモンで、このテストステロンが減少すると、体の筋肉量が減って脂肪の量が増えます。

男性の更年期の場合は、女性のように直接的に血中コレステロール値に影響を与えません。50代男性でコレステロール値が高い場合は、更年期だからではなく、50代男性のストレスの増大、活動量・運動量の減少、食生活の偏りが原因であることが多いです。

テストステロンは、イライラや不安、悲しみなどの感情を和らげる働きがあります。それが減少するのが男性の更年期なので、食生活もワンパターンになったり、いつもは元気に行っていたスポーツの趣味をやらなくなったりといったことが起こります。これが巡りめぐって、血中コレステロール値の上昇に繋がります。

→関連記事:ストレスや睡眠不足は悪玉コレステロールを上げる?そのメカニズムと対処法を解説

【50代男女】歯が抜けて義歯が必要になると、コレステロールを上げる一因に

歯50代男女に共通し多いのが、歯の問題です。もともと人間の歯は28本ありますが、50代になると平均25.9本になり、部分義歯装着率も2.8%になります。(2011年厚生労働省歯科疾患実態調査より

無い歯が1本だけなら、義歯を作らない人もいます。50代は忙しい年代ですので、何度も歯医者に通う時間が無かったり、義歯であることが恥ずかしかったりと理由は様々です。しかし、歯が1本無いということは、食べることに関してとても不自由です。

歯が悪くなると、いつの間にか硬い物を食べなくなったり、噛む回数が減って早食いになったりします。その硬いものの代表が野菜類です。野菜類に含まれる食物繊維は、食べたコレステロールを吸着して排出してくれる役割があります。歯が無いことによって、食事の内容が変わり、コレステロールを排出してくれる食物繊維が不足しがちです。その結果、血中コレステロール値が上がるということはあり得るのです。

コレステロールを上げやすい食べ物を知って減らす

50代にとっては、健康問題がとても身近になってきます。今まではホームドクターやかかりつけ医師など考えていなかった人も、何でも相談できる医師を見つけておかなくてはと考える時期でもあります。

50代のコレステロール対策としては、コレステロールが上がりやすい食材を知って、食べ過ぎないように、日々注意することが大事です。

【避ける】コレステロールを上げやすい食材

肉

飽和脂肪酸(室温に置いて固形の脂)の多い食品を避けてください。これらは、肝臓でのコレステロールの合成量を増やし、血中の悪玉コレステロール値を上げてしまいます。

【避ける】コレステロールそのものが多い食材

レバー

食事からのコレステロールの摂取は、体内(肝臓)でのコレステロール合成に比べると影響が小さいと考えられていますが、コレステロールが気になる人はあえてこれらを食べないように気を付けるといいでしょう。

【積極的に摂る】コレステロールを下げる働きのある食材

魚

コレステロール低下や動脈硬化の予防効果のあるこれらの食材を意識して取り入れていきましょう。詳しくはこちらのページでコレステロールを下げる食材一覧を紹介しています。
悪玉コレステロール値を下げる食品とメカニズム、おすすめの摂り方まとめ

結論

50代は活動量が減ると共に、更年期が現れる年代です。女性は同じ食生活でも、血中コレステロール値が上がることがあります。男性は更年期の心の変化からくる、食生活の変化に注意します。男女とも歯に変化が現れる年代ですので、偏った食事から血中コレステロール値の上昇を招いていないか考えます。血中コレステロール値を上げる食材、多い食材、下げる食材を覚えて、日々の食生活に取り入れましょう。

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。