スタミナ食材うなぎは悪玉コレステロールを上げる?下げる?正しい食べ方を栄養士が解説

うなぎ土用の丑の日で有名なうなぎは、大好物な人も多いですね。しかし、健康診断でコレステロール値が高いと指摘されたら、コレステロールの多い食べ物の代表に、大好きなうなぎがあってショック!なんてことはありませんか?コレステロール値が高くなる原因は人それぞれで、うなぎだけが原因という人はほとんどいません。

うなぎはコレステロールが豊富ですが、血液中のコレステロールを増やす原因にはなりにくいです。それは、うなぎを食べる回数や、コレステロールの他に含まれる栄養素などが関係しています。うなぎとコレステロールの関係を栄養士という立場から説明します。

うなぎってどんな食べ物?

うなぎの今昔

うなぎの歴史は古く、奈良時代から食べられています。そんなうなぎも、現在はとても高級な食材となっていますね。天然物はもちろんのこと、養殖物も稚魚は自然から捕ってこなければなりませんので、自然界のうなぎが減れば当然養殖物も減ってくるのです。

ですが、2010年にうなぎは完全養殖に成功しています。2014年には絶滅危惧種に指定されていますので、早い内に商業ベースにのり、おいしいうなぎが食べられるようになるといいですね。

うなぎには栄養がたっぷり

うなぎにはコレステロールが多いと言われますが、コレステロールが多いといわれている他の食品と比べて、どの位入っているのか、栄養価を見てみましょう。

  • うなぎ(1食80g)エネルギー204kcal コレステロール184mg
  • 卵(1個50g)エネルギー76kcal コレステロール210mg
  • たらこ(半腹45g)エネルギー63kcal  コレステロール158mg
  • あなご(1食80g)エネルギー129kcal  コレステロール112mg

コレステロールが多いと言われる食品では、うなぎだけが極めて高いわけではありません。注目する点は、1年の内で食べる回数です。うなぎは、年に何回食べる機会があるでしょうか?これらの食品の中で、群を抜いて高価なのがうなぎです。食べても年に2~3回というところですね。うなぎの消費量日本一の石川県ですら1年に0.72匹しか食べていません。

うなぎと悪玉コレステロールの関係

うなぎと血中コレステロール値

コレステロール値が高い食品の代表であるうなぎですが、必ずしも血液中のコレステロールを上げるとは限りません。血液中のコレステロールは、食品から摂るのが3割、肝臓で作られるのが7割でできているからです。食品から摂るコレステロールが血液中のコレステロールに影響するのは少ないと言えます。

毎日食べる位にうなぎが大好きならば、少し控えましょうと言えますが、「うなぎを食べるとコレステロール値が上がるから、一切食べてはいけません!」というのは、ちょっと言い過ぎですね。

不飽和脂肪酸がコレステロール値を下げる

うなぎには、多価不飽和脂肪酸が多いのが特徴です。多価不飽和脂肪酸は、DHAEPAといった体に良いと言われる油に含まれているものです。

うなぎに多く含まれるDHAやEPAは血液をサラサラにして動脈硬化を予防する効果が期待できます。

同じコレステロールが多いといわれる代表の卵と比べてみましょう。

  • うなぎ(1食80g)多価不飽和脂肪酸2.31mgコレステロール184mg
  • 卵(1個50g) 多価不飽和脂肪酸0.83mg コレステロール210mg

もともと食事からコレステロールを摂取しても、そこまで血液中の濃度は高まりません。加えてうなぎには血液をサラサラにする栄養素が豊富です。

【DHA】コレステロールを下げるメカニズムと摂取方法
 【EPA】コレステロールを下げるメカニズムと摂取方法

コレステロールの高い人に適したうなぎの摂り方

ビタミンCと一緒に食べよう

ほうれん草のポン酢和えビタミンやミネラルなどの栄養も豊富なうなぎですが、実はビタミンCだけはとても少ないのです。なので、うなぎを食べる時にはビタミンCを一緒に摂ると、バランスの整った食事になります。

ビタミンCは果物というイメージですが、野菜にもたっぷり入っています。こってりとしたうなぎのかば焼きに合わせるなら、さっぱりとした「パプリカのマリネ」や「ほうれん草のポン酢和え」などがぴったりですね。

山椒こそが最善のパートナー

山椒うなぎは滅多に食べないごちそうと思う人も多いですね。脂がたっぷりのうなぎは、食べ慣れないと消化不良をおこしがちです。そんな時に消化を助けてくれるのが「山椒」です。うなぎのかば焼きにかけて美味しくなるだけでの香辛料と思われている山椒は、漢方で胃腸薬としてとてもポピュラーなのです。

昔から、うなぎとスイカは食べ合わせが悪いと言われてきました。それは冷えたスイカが腸管の動きを妨げて、うなぎの脂が消化不良を起こすことを経験的に知っていたからですね。山椒は、腸管を温める効果があります。温まった腸管で、しっかり不飽和脂肪酸のコレステロールをくっつけて体外に出す働きをしてもらいましょう。

結論

うなぎにはコレステロールが多く含まれていますが、うなぎを食べる頻度はとても少なく、血液をサラサラにする不飽和脂肪酸も豊富です。

うなぎのコレステロール量が、そのまま血液中のコレステロール量になるわけではないので、年に2~3回のうなぎは食べても問題ありません。ビタミンCを補い、山椒で胃腸の調子を整えて食べて下さい。

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。