調味料の工夫で悪玉コレステロールを下げる。パーム油NG。ピーナッツバターはほどほどに

マーガリンパーム油は言葉だけ聞いてもピンと来ないかもしれませんが、マーガリンやショートニングに使用されている油脂で、実は世界で最も生産されている油です。ピーナッツバターはパンに塗って使用するものが一般的ですが、これは砂糖を添加したものであり、元は甘みはなく、スープやタレなど、料理の材料として用いられます。

他の調味料に比べると、そこまで馴染み深いものとは言い難いですが、コレステロールはもちろん、健康にどのような影響があるのかということは知っておいて損はありません。

それでは、パーム油とピーナッツバターの食品成分や、コレステロールとの関連性を解説するとともに、コレステロールが高い人はどのように食事にとり入れていけば良いのか、頻度や量、注意点などについて見ていきましょう。

パーム油・ピーナッツバターってどんな食べ物?

ヤシの実パーム油は油やしの果肉から採取された油で、オレンジ色をしています。常温で固形なので、マーガリンやショートニングの原料として使用されることが多いです。パーム油としてはあまり馴染みがないのですが、「見えない油」とも呼ばれており、加工品のパッケージには植物油として明記されています。

パーム油はうちでは使ってないから知らなくても大丈夫、と思っていても、実はたくさんのお菓子や食品に使用されており、気付かないうちにたくさんのパーム油を口にしているのです。生産量が安定しているパーム油は、便利で使い勝手が良いという理由で世界中で使用されています。

ピーナッツピーナッツバターはマメ科の落花生からできています。他のマメ科の趣旨に比べて脂質がとても多く、煎った落花生をすりつぶし練り上げて完成させます。

外国では無糖で硬いものが一般的ですが、日本では砂糖やショートニングなどを加えて柔らかくしたホイップ状のものが広く流通されています。バターというのは見た目から付けられたもので、乳脂肪分は含まれていません。

それぞれ大さじ1杯(12g)あたりの食品成分を以下にまとめました。

パーム油 ピーナッツバター
エネルギー(kcal) 111 77
たんぱく質(g) 0 3.0
脂質(g) 12 6.1
炭水化物(g) 0 2.5
ナトリウム(mg) 0 42
カリウム(mg) 0 79
カルシウム(mg) 0 6
マグネシウム(mg) 0 22
リン(mg) 0 44
鉄(mg) 0 0.2
亜鉛(mg) 0 0.3
銅(mg) 0 0.08
ビタミンD(μg) 0 0
ビタミンE(mg) 1.0 0.6
ビタミンK(μg) 0 0
ビタミンB1(mg) 0 0.02
ビタミンB2(mg) 0 0.01
ビタミンB6(mg) 0 0.04
ビタミンB12(μg) 0 0
葉酸(μg) 0 10
パントテン酸(mg) 0 0.23
ビタミンC(mg) 0 0
飽和脂肪酸(g) 5.65 1.36
n-3系不飽和脂肪酸(g) 0.02 0.01
n-6系不飽和脂肪酸(g) 1.08 1.76
コレステロール(mg) 0 0
食塩(g) 0 0.1

それぞれの食品の特徴

パーム油
カロリーはサラダ油やオリーブオイルなど、他の油とほとんど変わりありません。主要栄養素としては炭水化物、たんぱく質は含まれておらず、脂質のみの構成です。ビタミンやミネラルはほとんど含まれておらず、ビタミンEが唯一少量含まれています。

ピーナッツバター
ピーナッツバターは油脂類ではなく種実類に分類されています。名前の通りピーナッツからできているため、その栄養分が抽出されています。脂質だけではなく、たんぱく質や炭水化物も含まれており、体の機能を調整するビタミンやミネラル類も様々なものが含まれています。

パーム油・ピーナッツバターとコレステロールの関係

コレステロールを上げる要素

脂肪を形成する脂肪酸には、悪玉コレステロールを上げる飽和脂肪酸と、悪玉コレステロールを下げる不飽和脂肪酸があります。肉やバターなどの動物性の食品には飽和脂肪酸が、植物や魚などには不飽和脂肪酸が多く含まれている傾向となっています。

パーム油の脂肪酸組成を見ると、飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸の約5倍となっており、植物性の油では珍しく、悪玉コレステロールを上げてしまう油に分類されます。ピーナッツバターは、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の割合がほぼ等しく、この点からは悪玉コレステロールを上げる食品とはいえません。

ピーナッツバターは、ピーナッツに含まれている栄養を摂ることができるので、たんぱく質やビタミン、ミネラルなど、健康にとって必要な栄養素を摂ることができます。ピーナッツバターそのものの栄養価としては優れているのですが、砂糖やクリームなどが一緒に添加されている場合は、高カロリーになる場合があるので注意しましょう。

コレステロールを下げる要素

パーム油・ピーナッツバターは、どちらにもビタミンEが多く含まれています。ビタミンEは抗酸化ビタミンと呼ばれ、動脈硬化の予防に効果的な作用をするビタミンです。他にも、ガンや老化、生活習慣病の予防にも効果があります。

コレステロールが高い人に適したパーム油・ピーナッツバターの摂り方

パーム油・ピーナッツバターは、コレステロールを上げる要素と下げる要素、どちらも持ち合わせています。どちらが大きく働くかは不明ですが、脂質の含有量が多いので、摂りすぎると肥満や脂質異常症の原因となり、摂取には注意が必要な食品ということには変わりません。

1日の目安量はどのくらい?

ポテトチップスどちらも高カロリーの食品なので、できるだけ摂取量を控えた方が良いでしょう。しかし、パーム油においては、加工品としてとることの方が多いので、量が把握しにくいというデメリットがあります。

パーム油はマーガリン、チョコレート、ポテトチップス、カップラーメンなど、私たちが日常的に食べる加工品に多く含まれていることから、そういった食品を減らすことでパーム油の摂取量を抑えることができます。

ピーナッツバターは、一度に大量に食べることはあまりないと考えられますが、大さじ1杯で77kcalと高めで、大さじ3杯の摂取でご飯1膳分にもなります。栄養バランスや肥満に影響のない量としては大さじ1杯程度が理想といえるでしょう。

とり入れる時の注意点

パーム油が多く含まれているマーガリンには、飽和脂肪酸と同じく悪玉コレステロールを増やしてしまうトランス脂肪酸も含まれています。健康への影響を考えると、飽和脂肪酸だけではなく、他の成分にも注意する必要があるでしょう。

ピーナッツは、アレルギーを起こしやすい食品です。子供は特に、大人でも突然発症することもありますので、数時間以内にじんましんや息切れなどの症状が見られた場合にはすぐに食べるのをやめ、病院にかかって診察を受けましょう。

結論

パーム油には、コレステロールを上げる原因となる飽和脂肪酸が含まれていますが、下げる働きを持つビタミンEも含まれています。加工品などに多く含まれているので、市販のお菓子や揚げ物などの摂取を控え、できるだけ体にとり入れないようにしましょう。

ピーナッツバターは、パーム油と同様にビタミンEが含まれており、それ以外にもタンパク質やビタミン類などの栄養素を摂ることができる、栄養価の高い食品です。商品ごとに一緒に含まれている砂糖やクリームの量に違いがあるので、カロリーや脂質の量に注意して選び、食べ過ぎには注意しましょう。

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。