牛乳はコレステロールを上げる?下げる?

1666_1牛乳は私たちの体のさまざまな組織を構成する材料となる貴重なたんぱく質源です。

飲み物としてはもちろん、シチューやグラタンなど、さまざまな料理にも用いることができ、何らかの形で毎日自然にとり入れている方も多いはず。

さらに、たんぱく質だけではなくカルシウムやビタミン類なども豊富に含まれ、栄養価が高く、健康な体を維持する上では最適な飲み物といえるでしょう。しかし、牛乳に含まれている脂肪分を気にする人も多く、低脂肪乳や加工乳などの人気が高い理由の一つとなっています。

私たちの身近な食材の一つとして手軽にとり入れることができ、健康効果の高い牛乳ですが、脂肪分が高いということもあり、コレステロールとの関係性も気になるところですね。それでは牛乳の成分やオススメのとり方などについて詳しく見ていきましょう。

牛乳の食品成分

1.エネルギー量・水分・主要栄養素

エネルギー 134 kcal
水分 174.8 g
たんぱく質 6.6 g
脂質 7.6 g
炭水化物 9.6 g

2.ミネラル類

ナトリウム 82 mg
カリウム 300 mg
カルシウム 220 mg
マグネシウム 20 mg
リン 186 mg
0 mg
亜鉛 0.8 mg
0.02 mg

3.ビタミン類

βカロテン当量 12 μg
ビタミンA 76 μgRAE
ビタミンD 0.6 μg
ビタミンE 0.2 mg
ビタミンK 4 μg
ビタミンB1 0.08 mg
ビタミンB2 0.30 mg
ナイアシン 0.2 mg
ビタミンB6 0.06 mg
ビタミンB12 0.6 μg
葉酸 10 μg
パントテン酸 1.10 mg
ビタミンC 2 mg

たんぱく質やビタミン、ミネラル類などが幅広く含まれていますね。日常的に飲まれているお茶や嗜好飲料などからは、このように色々な栄養素をたくさんとることは難しいです。牛乳はただ喉を潤すための飲み物としてではなく、栄養補給源としての役割の方が大きいといえるでしょう。

牛乳は太りやすい?

牛乳は脂肪分が高く太りそうというイメージを持つ人も多いと思われますが、普通に飲む程度であれば全く問題はありません。コップ1杯(200ml)に含まれる脂肪分は7.6g。これは1日の脂質摂取目安量の15%程度です。

もちろん脂質の摂りすぎは体脂肪の増加の原因となり、肥満を引き起こしますので注意が必要です。しかし、脂質は体温や体の水分量を保つ働き、ホルモンの材料ともなるなど、私たちが生命を維持する上では必要不可欠な栄養素であり、適度に摂取することが大切なのです。

牛乳はコレステロールを上げる?下げる?

牛乳に含まれるコレステロールについて

1666_3コレステロールは悪いものであると見なされがちですが、私たちの健康的な体を作る上では欠かせない成分です。コレステロールは血液中に存在し、常に全身を巡っています。

成人1日あたり1~2gのコレステロールが必要とされ、このうち8割は肝臓で合成されています。残りの2割は食事からのコレステロールから摂取することになるので、食事からのコレステロールの1日の摂取目安量は、200~400mgとなります。

200mlの牛乳には、約25mgのコレステロールが含まれています。この数字を見ても、1日のコレステロールの必要量から見てもごく僅かであることがわかります。もちろん他の食品にもコレステロールは含まれていますが、牛乳だけでコレステロールの摂りすぎになることは、まずありえないと考えてよいでしょう。

例え食事からコレステロールを摂りすぎたとしても、その場合には肝臓で合成される量が自動的に調整される作用が働きます。しかし、肝機能が弱っている人は、コレステロールの合成や調整が上手にできないこともあります。

コレステロール値が高い人は、食品からのコレステロールの摂取を心配するのではなく、まずは肝機能を高めることでコレステロール値の改善を図ることが必要であるといえます。

牛乳はどのくらい飲んだらいいの?

牛乳は、コレステロールを上げる食品ではなく、たんぱく質やカルシウムを摂ることができる、健康効果の高い食品です。カルシウムの1日の推奨量は成人で600~700mgとされていますが、日本人では慢性的な摂取不足が問題視されています。

1日の牛乳の摂取目安量としては、農林水産省で策定されている食事バランスガイドによると200ml程度です。このコップ1杯の量から摂ることができるカルシウムの量は220mgとなり、他の食事とのバランスを考慮し、200mlという数値が設定されています。

しかし、例え牛乳を1日1L飲んだとしても、牛乳だけではカルシウムの許容上限量の2,500mgを超えることはありません。問題となるのは小魚や野菜など他の食品も同時に摂りすぎた時や、サプリメントなどからの過剰摂取の時のみです。

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通常の食事をしていれば過剰摂取の心配はいらないので、飲むだけではなく料理にも活用するなどして積極的にとり入れていきましょう。また、より効果的にとり入れるために、カルシウムの吸収を促進するクエン酸やビタミンDが多く含まれた食品と一緒に摂ることをオススメします。

クエン酸が多く含まれる食品 → レモン・グレープフルーツ・いちごなどの果物
ビタミンDが多く含まれる食品 → きのこ類

結論

牛乳にはコレステロールは含まれていますが、その量は僅かで血中のコレステロールを上げる原因とはなりません。

牛乳にはたんぱく質やカルシウム、さらにはビタミン類など、健康維持に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。少なくても1日200mlの牛乳を摂れるように心がけ、健康作りに役立てましょう。

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 監修者 大見 貴秀医師


フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。

医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。