コレステロールとは、細胞膜を生成する必要な要素で、生きていく上で欠かせない「脂質」の一種です。
健康診断時の検査で引っかかったり、メディアのダイエット特集等で、「コレステロール=悪いもの」というイメージがありますが、コレステロールは体全体に存在します。
役割としては、細胞を包む細胞膜の原料になっていたり、ビタミンDの合成に使われ、心身の活力を高める副腎皮質ホルモンや、脂肪の消化を助ける胆汁酸の材料にもなっています。
コレステロールは食物から摂ったり、肝臓で合成され、1日に必要とされる量は、 1,000~1,500mgといわれています。
人は、必要なコレステロールの2/3を体内でを生成し、残りの1/3を食物から摂取しています。
悪玉コレステロール(ldl)と善玉コレステロール(hdl)
善玉・悪玉というと聞こえが悪いのですが、コレステロールの役割(正確には、リポタンパク質の違い)と影響によって分けて考えられています。
悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロールは、体の各所に必要なコレステロールを血流に乗って運ぶ役割をしています。
LDLコレステロール値が高い状態で、そのまま放置すると動脈硬化の原因となり、動脈硬化は、心筋梗塞、狭心症や脳梗塞のリスクを高めますので、LDLコレステロールが「悪玉」と言われる所以です。
ただし、働き的には、生きていくのに欠かせない役割を担っています。
善玉コレステロールと言われるHDLコレステロールは、逆に余ったコレステロールを運び出す役割をします。体に悪影響を与える量のコレステロールを細胞壁から運び出す、といことなので、「善玉」と言われています。
健康診断や血液検査などでは、コレステロールに関しては、総コレステロール値、LDL値、HDL値がチェックされます。
基準となる正常なコレステロール値
コレステロール値は、空腹採血時に下記のいずれかだと脂質異常症(以前の高脂血症)と診断されます。
この基準値に当てはまらなければ、正常値、ということです。
この値は、日本動脈硬化学会の「動脈硬化の病気を防ぐガイドブック」で掲載されている値が採用されているようです。
また、最近では、善玉コレステロールと悪玉コレステロールの比率をチェックする場合も多く見られます。
コレステロールのバランスを見る「LH比」と言われるものですが、LH比が高いとLDLコレステロールが過剰にある状態で、LH比が低いと、HDLコレステロールが多く、不要なコレステロールが回収されやすい状態であるといえます。
つまり善玉コレステロールを増やすことでも、相互的に作用し、悪玉コレステロールを下げる効果もあるわけです。
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LDLコレステロールが過剰にある状態は、血管壁についているコレステロールが過剰になっている、と推測されますので、動脈硬化の危険性が高くなっていると考えられています。
コレステロールを上手にコントロールする
コレステロール値は、高くても低くても問題になります。ただ、大抵の場合は、LDLコレステロール値の高さが問題になってくると思います。
コレステロールの値を正常な範囲値に納めるためには、
- コレステロール値を下げる食品を中心の食事にする
- 運動する
- コレステロールを下げるサプリメントを服用する
- 薬を処方してもらう
と言った方法が挙げられます。
フリーランスの麻酔科医として複数の病院で勤務。生活習慣病アドバイザー、麻酔科標榜医、麻酔科認定医、日本麻酔科学会会員、日本抗加齢医学学会(アンチエイジング学会)会員。
医師として生活の質を上げ、楽しく健やかな毎日を過ごして頂くため「健康」に関する執筆も行っています。